ハヤカワ文庫が好きなだけ

読み終えたハヤカワ文庫の本を綴っているだけ。

楽園とは探偵の不在なり

 斜線堂有紀さんの「楽園とは探偵の不在なり」を読みました。

 

 あらすじ

2人以上殺した者は”天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。過去の悲惨な出来事により失意に沈む探偵の青岸焦は、「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱に誘われ、天使が集まる常世島を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。犯人はなぜ、どのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。 本著背表紙より。

 

 感  想

 兎にも角にも天使システムが効いていると思うんですよ。この本で描写されている天使って、私たちが想像するような赤ちゃんに羽が生えているような天使ではなくて、もっとなんていうか・・・ポケ〇ンでいうオン〇ーンみたいな、長くて細ーい蝙蝠?みたいな感じの描写をされているんですね。天使じゃやないやん。地獄の使いじゃない。みたいにしか思えないんですけど、こいつらがいることにより、二人以上殺した瞬間に地獄行になるので、ミステリとしての連続殺人が起きないはずなのに、起きてしまう。というミステリが類を見ない作品で面白かったですね。

 登場人物を胡散臭そうな奴らばかりで覚えやすくて「こいつ死にそう~。」「こいつなんかやってたんだろうな~」というのを敢えて見せているようにも感じて、展開を読めるようにさせている感じが個人的にはしました。それでも犯人は誰なんだろうな~と思いましたし、伏線も張られていてそれには気が付きませんでしたが、ミステリしているんだなぁという感じ。ただ、超本格的なミステリというよりラノベ感覚で読める読み易さが人によっては「これはミステリとはいわん!」みたいになるのかもしれないですが、私は面白かったです!